インプット・アウトプット・アウトカム
インプットとしてさまざまなことを学び、アウトプットとしてそれを実行するといった経験は皆様あると思います。それに加えて「これは何だったのか」ということが、アウトカムです。このアウトカムがかなり大事だと思います。例えば大学入試の面接だとすると、自分がやってきたことはいくらでも言えますが、それを踏まえてなぜ志望しているのかについて話せないという現象が起こるのです。どのようなもの・どのような人・どのような経験であっても、アウトカムから見出すことがその物事の本質となります。最後にやり切ったことによって得られたものは何か、ということに意味があります。
まず大事なことは「やり切る」ことです。やり切った後には、アウトカムという観点に立ち返りましょう。その時点で続けるかやめるかを決めれば良いのです。やりたいことだから続けようでも、やり切ったから次に行こうでも良いと思います。まさにインプットしてアウトプットした後に、アウトカムをしっかり行う一連の流れを訓練していくことで、そこまでの経験が言語化されますので、とても洗練された高校生になることは間違いないと思います。そしてこれは高校生に限ったことではなく、誰にでも共通します。物事は本質が重要であり、現象の大きい小さいはあまり関係ありません。
ぜひポジティブなコミュニティに
「学ばなければならないから学べ」と単純に言われるよりも、モチベーションを持って学んだ方が伸びる人が多いと思います。モチベーションを保つためには、コミュニティが必要です。夢ややりたいことを話した時に、家族や友人、大人たちが背中を押してくれるような環境が理想ですね。大人は大切なことをアドバイスしつつ、一番に子どもたちの価値観や好奇心を尊重し、可能性を伸ばすお手伝いをすることが大切だと思います。そして、みんな頑張っているから自分も頑張ろうと感じるようなポジティブなスパイラルが生み出せるとより良いと思います。子どもたちは、自分なら出来るというくらいの気持ちでいた方が良いと思います。今、想い描いている夢があるなら努力しましょう。ほとんどが叶います。信じられないなら、スクーミーを覗いてみてください。スクーミーにはIT分野で頑張っている仲間たちやコミュニティがあり、勇気づけられると思います。
アントレプレナーシップとは
アントレプレナーシップとは、日本語で起業家精神と訳されており、経営者教育を行っていると思われがちですが、「なぜ学ぶのか(課題の設定)・それは何のために必要な学習なのか(実現するための行動)」を考えるマインドセットを身につけることであり、誰にとっても必要なことだと考えています。「自ら課題を見つけ、なぜ学ぶのかを考え問い続け、自分が生きたい・つくりたい世界を実現するために学び、それらを実行すること」がアントレプレナーシップの本質です。この記事を読んでいる高校生たちには、なぜ学ぶのかを意識し、夢を持つことが大事だと伝えたいです。
大切なのは、今夢を持つこと
夢や目標は出会いや成長とともに変わるものだと思いますが、今それを持っていることがかなり重要です。やりたいからやっている。その瞬間に勉強ではなく教養に変わり、つらいものではなくなります。子どもたちにメッセージを送るとすると、外の世界と自分を照らし合わせてみることが大切だと伝えたいです。自分には何ができるのか、何かこういうことができたら良いのになと考え、今やっている勉強のカリキュラムを見つめなおしてみると、意外と使えるものが多くあったり、夢ややりたいことがどんどん見つかります。努力することが当然肝にはなってきますが、今持っているその夢は絶対、ほぼ100%叶います。
株式会社スクーミー 取締役CMO&CFO 戸田 達昭 氏 山梨大学大学院在学中に起業した山梨県初の学生起業家。 卒業後にバイオベンチャー企業「シナプテック株式会社」を設立し、代表取締役に就任。 最近ではスタートアップアクセラレーターとして起業家育成や事業創造に力を注ぎ、現在18社の経営に携わる。 一方で産学官民協働による地域づくりに取り組み、歴代最年少で第6期中央教育審議会生涯学習分科会委員を務め、地方国立大学の客員・特任准教授として高等教育機関における人材育成に尽力している。

