野菜を育てる上で大切なこと
私は山梨県できゅうりやスイートコーン、お米を育てています。その中でもきゅうりハウスの面積は、20a程度で毎年多くのきゅうりを栽培し、出荷しています。きゅうりを栽培する上で、大切なことの一つにハウス内の温度管理があります。私の畑では、春と秋にきゅうりを栽培します。秋のきゅうりは8月に苗を植えるのですが、夏は猛暑日が続き暑すぎると苗が枯れてしまいます。ハウス内を風通し良くしたり、水やりのタイミングを工夫したりすることで管理をしていますが、常に温度に気を遣いながら過ごさなければなりません。

温度や湿度を管理できるセンサーを開発
今回、温度と湿度をスマホで見ることができるセンサーとアプリを開発していただきました。今まではハウスの温度を管理する際に、毎回ハウスの中の温度計を見に行っていました。家にいる時や他の農作業をしている時に、温度を見ることはできません。例えば「暑くなってきたな」と思ったら、ハウスの温度計を見に行かなければいけないのです。しかし今回、温度と湿度を測るセンサーをハウス内に設置し、センサーで温度を測ることで、より正確に分かりやすく温度を測ることができるようになりました。そしてそれだけでなく、その計測したデータをスマホで見ることができるようなアプリも同時に開発しました。温度と湿度を確認でき、28度を上回ると「高温」という表示が出ることで、視覚的にわかりやすく温度を確認することができるようなアプリが開発できたと思います。今回の開発のおかげで、「温度をハウスの中に見に行く」という作業がなくなりました。この手間がなくなったことで、体力的に大変な作業が1つなくなり、他の農作業に時間を充てられるようになるのではないかと思います。

スマート農業への期待
今回、温度と湿度を管理するセンサーとアプリを開発していただきましたが、今後は環境制御に取り組んでいきたいです。例えば、現在は温度を見て天窓を手動で開閉しています。ここにセンサーによって温度を計測し、天窓を自動で開閉するシステムを取り入れたいです。また、水やりについても温度や土壌の水分量をセンサーで計測して、自動で行ってくれるようなシステムを導入したいです。収穫した野菜やお米は畑での直売やJAを通してお客さんに購入いただいています。お客さんに買ってもらって「おいしい」と言ってもらえることが、農業をやっていて最も嬉しい瞬間です。テクノロジーで作業を効率化することによって、もっといろいろな野菜を育てて、これからもお客さんにおいしい野菜を届けたいです。

五味 真二 氏
1962年山梨県(現)南アルプス市生まれ。
農家である父の病気を機に、2013年より両親が営む農業を本格的に手伝い始める。
2023年、定年退職に合わせて就農。
野菜ソムリエ。
1haの田畑でキュウリ(施設栽培)、米などを栽培。
農業のかたわら、ギターを抱えて老人施設や病院などで慰問ライブを展開中。

