地域の未来へ羽ばたけ!Mt.Fujiイノベーションキャンプへの期待
山梨はもともと重工業が盛んなわけでなく、土壌が特別豊かな地域でもないから、自分たちで事業を起こしていくことが大切だと思っている。これまでも「アントレプレナー」と呼ばれる起業家を輩出してきているが、これからも若い人を中心に新しい事業を山梨から起こし、この地で会社を大きくしてくれる人が増えたらと願っている。
地域の可能性を広げていく上で、Mt.Fujiイノベーションキャンプ(以下、イノキャンという)は重要な機会である。主催者たちが情熱を持って取り組む姿が開催当初から印象的で、パワフルな方々との出会いは、銀行にとっても新鮮なこと。こういった人たちがいないと、物事はなかなか動いていかない。経験豊富な運営陣やメンター陣の雰囲気づくりによって、参加者みんなが共に「チャレンジしよう!」と気持ちを奮い立たせられるのは、イノキャンならではだろう。
そしてそこを伴走、協力するのが銀行の立ち回りだと思っている。イノキャン開催時だけ盛り上がって、それで終わってしまわぬように後押ししていくのが、銀行の役割だ。私たちは「金融」という観点からさまざまな事業の形態を見てきたため、積み重ねてきたその経験から参加者に何かお伝えできるかもしれない。イノキャン後に実際に事業化していく上で必要な融資や、他者とのつながりも支援していけたらと思っている。
銀行の中からも、イノベーションを
イノキャンに出場するスタートアップの方々の中には、山梨県内外の企業との接点をつくっていきたいと思っている人も少なくないだろう。フラットな関係で一緒に良いものをつくろうと思えるような関係を、銀行がハブとなって生み出せないかと考えている。2022年7月に甲府にオープンした「Takeda Street Base」が活動の拠点となればいいなと思う。ここに若い人、起業したい人、アイデアを持っている人など熱量の高い人たちが集まり、化学反応を起こしながら新しい起業家が出てくれれば嬉しい。
我々銀行の中からも、もっとイノベーションを起こしていこうという思いから「経営企画部DX・イノベーション推進室」という部署を2022年6月に立ち上げた。銀行としての新規事業を生み出すためにイノベーティブな人材の育成にも取り組んでいる。これからも山梨から新しい事業をどんどん起こしてもらえるよう、私たちも共に伴走しながら思いのある人を応援していきたい。
Mt.Fujiイノベーションキャンプに応募する方へ
私も昔、起業をしたいと思ったこともあったけれど勇気が出せなかった。今こうしてリスクを取ってでも事業を起こそうとしている人たちは、本当にすごいと思う。そこに敬意を表する。だからこそ、そういう人たちにさまざまなことにチャレンジしてもらいたいと思うし、今取り組んでいるアクションが地域の課題を解決し、日本から世界全体へのイノベーションにまでつながっていくことだってあると思う。
微力だが支援できるノウハウやつながりは用意してあるので、そういう人たちにぜひイノキャンなどの場へ飛び込んでいただきたい。応援していますし、私たちも頑張ります。
株式会社山梨中央銀行 代表取締役頭取
古屋 賀章 氏
株式会社山梨中央銀行代表取締役頭取。
1986年同行に入社。東京支店に配属され、キャリアをスタート。
営業統括部長や東京支店長などを経て、2021年に専務に就任。
2023年6月より現職。
甲府市出身。

