なぜ学ぶかを教える教育
現在日本は、少子高齢化で生産年齢人口がどんどん減っている状況です。GDPはなんとか世界第3位にいますが、それは今日本に1億2000万人の人口がいるからでしょう。ただ、あと30年後ぐらいには人口の半分以上が失業者となり、今の10代の子たちは1人で2人を支えていかなければならない状態となる可能性があります。一人一人がこの国を背負って立つぐらいの気持ちがないと国が破綻してしまうでしょう。日本の現状を捉えてどう考えどう行動するか、といったことが大事です。その上で教育として重要になってくるポイントは、なぜ学ぶかを教えるということだと思っています。現在ではチャットGPTが知識を豊富に持っていて、誰でも情報を得られる時代となっています。ただ、便利なツールを使いこなすには適切な質問をしないといけません。そのため「なんで?」という問いを立てる力を育む教育が必要になってくるのではないでしょうか。
世界トップの富豪に共通しているところは、付加価値を生むというところなんです。例えば安値で作ったバッグを40万円で売ることができるということです。こういう現状もあることを、子どもたちに知ってもらった方が良いと思いますね。これは老若男女問わずみんなにチャンスがあることなんです。上記のような教養は、物事を考えるときの材料となります。材料がないと着想できないから教養は必要な要素だと思います。アイデアさえあれば知識はネットに転がっていますからね。
教養が身についているといろいろな方の話の輪に入ることができ、さまざまなアイデアや知識を得ることができます。加えて、話題提供をすることができるといったことも大切で、そこには体験価値が必要となります。だからこそスクーミーの体験を通しての学びは、多くのアンテナを張っている人ほど刺さるのでしょう。
スクーミーの教育における価値
自分で物事を考えて自分でつくるといったスクーミーの考え方はとても大切です。世の中の問題を打破するためにも、一人一人が自分で考えて動く必要があります。世界の課題も自分一人では解決できないことが多いですが、解決するための基礎的な考え方を育むことはできるでしょう。しかもチーム戦でいろんな人と協働していく学びとなります。世界の人と対話しながら共通の課題について解決するということができるツールを提供しているのがスクーミーなのではないかと思っています。
これから教員になる学生にメッセージ
常に学ぶべきですね。自分がアップデートできないのに子どもたちにアップデートすることを教えられません。教員は先生ではありません。先生は尊敬語なので、尊敬されない教員はただの教員です。
自分の専門の範疇を逸脱して私生活や生活態度まで口出しするのは、良い先生とは呼べません。自分の専門分野を極め、他の専門分野は周りを頼りつつも学び続けるマインドセットが大事です。何においても言葉の定義をしっかり知る必要があり、知的な教養を持つことが大切です!
シナプテック株式会社 代表取締役社長
戸田 達昭 氏
山梨大学大学院在学中に大学発ベンチャーとしてシナプテック株式会社を設立した山梨県初の学生起業家。
他にも、産学官民協働による地域づくりに取り組み、第6期中央教育審議会生涯学習分科会委員をはじめ、教育関連機関や地域市民団体の代表や委員を務める。
また起業・創業の分野に力を注いでおり、アクセラレーターとしても活動中。

