人助けの心を持ち続ける、食のインフラ企業(TSA協力企業)

まもかーるは、食のインフラ企業

 「安全で安価な美味しいお弁当を安定的にお届けする」を基本理念に、山梨県内を中心に5店舗を運営しています。社名は、「ママが助かる」という言葉が由来です。毎日ご家族のためにお弁当をつくるのは大変な手間暇ですから、「安全に安価な美味しいお弁当を届けることでお母さんを助けよう」という人助けの思いが、社名に込められています。

 新型コロナウイルスが流行していた頃、お弁当をお届けするのがどうしても難しい状況になった店舗があったのですが、お客さんから「まもかーるさんがお弁当を持って来てくれないと、食べるものがなくて困る」と言っていただいたことがありました。そのことをヴィジョナリーパワー株式会社の戸田達昭社長に話すと、「まもかーるさんは食のインフラ企業だね」と言ってくださって。その言葉を聞いて、自分たちは責任ある仕事をしているのだと改めて認識しました。

毎月異なるTSA専用のお弁当

 つくりすぎてしまったお弁当を何かに役立てることができないかと、以前から食品ロスに対する問題意識を持っていました。まもかーるとして子ども食堂ができないか検討し、県内の子ども食堂に視察に行きましたが、本当に困っている人たちにはなかなか情報が届かないという現実を知りました。会社として子ども食堂を始めるか悩んでいたとき、戸田さんからフードバンク山梨の食料支援受給世帯の子どもたちを対象としたTSAのお話を聞きました。私は両親の教えや学生時代の論文の影響もあり、良くも悪くも教育というものには大きな力があると考えています。経済的な理由で教育を十分に受けられない子どもたちがいるなら、勉強を教えることはできなくても、美味しいものをお腹いっぱい食べさせることはできると思い、ぜひ協力させていただきたいとお返事しました。

 TSAの趣旨と子どもたちの背景を理解したうえで、栄養士が毎月TSA専用のお弁当を考えています。8月のTSAでは、お祭り気分を味わえるメニューと、かき氷を用意し、子どもたちの喜ぶ顔が見れてうれしかったです。TSAのお話をいただいたときに同席していた若手社員の提案で、お弁当の掛け紙にメッセージを添えています。毎月異なるメッセージをその若手社員が手書きし、コピーした掛け紙でお弁当を包んでいます。子どもたちはお弁当の中身にしか目がないかもしれませんが、続けていくうちに何かを受け取ってくれる子どもがいたらうれしいです。

TSAは、学校とは違うことを学べる場

 初回は午前中に英語のプログラムがあり、昼食の前にバンビバイリンガル幼稚園の先生たちが英語でいただきますの歌を歌ってくれました。昼食後、子どもたちはバラバラと遊び始めていたのですが、午後のプログラミングの授業が始まると、株式会社スク―ミーの塩島社長が子どもたちと共に、ごちそうさまでしたと伝えてくれたんです。その様子を見て、ここは英語とプログラミングだけでなく、人付き合いなど学校とは違うことを感覚で学べる場なのだと感じました。

 戦争を経験している上の世代は、生きること、食べることに必死で、自分の望む生きかたができない人も大勢いたと思います。現代には現代なりの生きづらさはありますが、生活保護など多様な支援制度があって、命の危機に直面することはほとんどないですよね。そういった意味で、やりたいことをやれる時代だと思うんです。TSAに参加している子どもたちには、自分のやりたいことで世の中に貢献できる人になってほしいと願っています。私たちも「食のインフラ企業」として、食で困っている人の助けになることを一生懸命やっていきたいと思っています。

株式会社まもかーる 社長
小林 哲雄 氏
毎日20,000人以上のお客様に安心・安全な食事を届ける山梨県の仕出し弁当屋。山梨県内3ヶ所、県外2ヶ所の計5つの拠点から弁当を届けている。近年は福祉業界の人材不足にアプローチするため、約2年の歳月をかけて冷凍の食事を研究。2023年秋には自社の冷凍工場を設立し、「食のインフラ企業」としてさらなる活躍が期待される。

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