英語を通して世界と出会い、人生の選択肢を広げる(TSA協力企業)

子どもが自ら命を絶たない社会をつくる

川瀬:

 1989年設立のイングリッシュプラスは、山梨県で0歳から大人までを対象とした受講生800名弱の英会話スクールです。外国人の先生たちと共に仕事をするなかで、日本の幼児教育には欧米の「褒めて育てる」文化が必要だと感じるようになり、2008年にバンビバイリンガル幼児園(※1)を開園しました。人格形成に大きな影響を与える幼児期の教育に携わることで、自殺率の高い日本の子どもが、自ら命を絶つことなく大人になる社会をつくりたいと考えています。そのためには、いま苦しい状況にいたとしても、世界は果てしなく広く、いろいろな選択肢があることを伝えるのが大切だと思っています。特にこれからの時代を生き抜くには、話す言葉、見た目、食べるもの、考え方が違う人を排除するのではなく、その違いをおもしろがることができる柔軟な感性が求められます。英語を世界とつながるためのツールとして使い、こういった感性を育てられるよう日々奮闘しています。

 2021年設立のファンタスティックフレンズ株式会社は、動画を視聴するだけでリスニング力がアップする子ども向けプログラム「オンラインえいごようちえん Peek-a-Boo(以下、Peek-a-Boo)」を配信しています。メロニーを始めとしたバンビバイリンガル幼稚園の外国人の先生たちが、大好きな日本のために何かをしたいという思いで開発しました。ファンタスティックフレンズは、親の経済力や住んでいるエリアに関わらず誰でも手軽に英語教育を受けられるようにしたい、そして教材によって得た収益で社会貢献をしたいというビジョンを持っています。

※1 その後学校法人を設立。正式に幼稚園として認可され、2014年にバンビバイリンガル幼稚園に。イングリッシュプラス株式会社とは別法人になり、川瀬氏は現在、主にバンビバイリンガル幼稚園で働いている。

自己肯定感を高め、共に明るい未来へ

川瀬:

 戸田達昭さんからTSAの構想をお聞きし、子どもたちのためにできることがあるなら絶対にやりたいとお伝えしました。前述した3社で協力して、私たちにできることを全力で提供しています。家庭学習用にPeek-a-Booを提供しているので、やる気のある子どもたちにはどんどん成長してほしいです。食料支援受給世帯には夢を持ちづらい子どもも多いかもしれませんが、TSAを通して経済的自立を目指すことで、生きていくのも悪くないなと感じる突破口になればうれしいです。子どもたちと継続して関係性を築くことができるので、この出会いが子どもたちの世界を広げ、選択肢を増やす良いきっかけになればと思います。

メロニー:

 恵まれていない家庭の子どもたちは、頼りにできる大人が少ないと思うので、月に1度必ず会えて、この人なら信頼できるという安心感を与えたいです。TSAでは年齢もバックグラウンドもさまざまな子どもたちが互いに刺激し合い、助け合うことで、小さなコミュニティが生まれています。単に英語を覚えるのではなく、「違い」がある人とコミュニケーションを取ろうとする気持ちや、心を通じ合わせる力を育てていきたいです。日本の若者は自分なら何とかできるかもというエンパワーメントがなく、世界に対して無気力、無関心になっていることも多いので、子どもたちの自己肯定感を底上げし、背中を押すことで、一緒に明るい未来に向かっていきたいです。

 私自身も、貧困家庭の子どもたちが英語を学べる場があると良いなと20年以上思っていましたが、自分には何もできないと思いこみ、行動できずにいました。しかしTSAのように皆で力を合わせたら、自分の得意分野で協力し、夢を叶えることができた。TSAを知った人が、自分も参加したいと思ったり、自分にも何かできるかもしれないとインスピレーションを受けてくれれば、とても幸せです。

学校法人バンビバイリンガル学園 理事長/イングリッシュプラス株式会社 代表取締役
川瀬 るり子 氏
バンビバイリンガル幼稚園 プログラミングマネージャー/イングリッシュプラス株式会社 専務取締役 
ワードメロニー 氏
1989年、川瀬氏が山梨県にて英会話スクール「イングリッシュプラス」を開校し、同年に法人化。2000年にメロニー氏がジョイン。後に川瀬氏がバンビバイリンガル幼稚園を設立し、川瀬氏、メロニー氏は英語を通じた幼児教育に携わるようになる。2021年にはメロニー氏、川瀬氏が中心となりファンタスティックフレンズ株式会社を設立し、「オンラインえいごようちえん Peek-a-Boo」の運営を行っている。

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