金丸さんがリーダーとして活躍するまで
小学校の時、児童会の副会長を務めていました。中学校や高校の時も特に表立ってリーダーをすることもなく。大学でも同様でしたね。大学時代は通学に片道2時間かかっていたため、往復で4時間を費やし、授業に出席し勉強して帰るだけの生活でした。その代わり、学校の活動よりも家の近くのジムに通ってボクシングのコミュニティづくりに力を入れていましたね。リーダーシップの意識が芽生えたのはNECに入社した時だと思います。同期は800人程いたので、半年間の研修期間で全員と交流することを目標にしていたんです。毎日交流会を開いていた結果、自然とリーダーの役割を担うようになっていました。
リーダーとして活躍していくのに必要なこと
さまざまな分野で情報をたくさん持っていることは、ものごとを判断する上で非常に重要なスキルだと思います。情報量を誰よりも多くインプットすることは、的確な判断や適切な選択をするために欠かせません。
あと同じ失敗を二度繰り返すことは避けるべきですが、一度の失敗は積極的に受け入れるべきだと考えています。「恐れずにチャレンジしなさい!最終的な責任は私が取るから。」というのが、私の指導方針です。その際に考え方や選択肢も提示し、ある程度の道しるべを立ててあげるようにしています。自分が思い描いたものと若干異なった結果になったとしても、部下などには80点の完成度で、一度やらせてみましょう。20点分の間違いを通じて気づかせることで、次回は100点を取ることができるようになるのではないでしょうか。失敗から多くを学ばせ、自分で考える経験をさせることも意識しています。
子どもたちに伝えたいこと
社会の中で質の高いアウトプット(伝える、表現する)を行うことで、能力のある人だと評価してもらうことができます。日常生活においてもアウトプットが充実している人は、意見をきちんと述べることができ、魅力的で好まれると言えるでしょう。アウトプットの土台となるのは、インプット(情報収集、勉強)の質や量だと言えます。ただ優れたインプットを行なっていたとしても、情報を発信しない限りはあまり評価してもらえることはありません。アウトプットをすることで初めて、インプットしたことを活かすことができるのです。
日常生活で放っておいても勝手にインプットが行われることがあります。ただ漠然とインプットを行なっているのか、意識的にインプットを行なっているのかによって、同じ情報を聞いていても差が出ると思います。そのため情報を一度アウトプットする意識を持って聞いてみることは重要なことです。アウトプットのために脳内で整理してくれるようになります。イメージを小分けにして、脳内の引き出しに整理し、必要な時に引き出して解決することができるようにしましょう。
人口減少と社会構造の変化により接客業も変化しますが、笑顔の需要は絶対になくならないと考えています。今後、テクノロジーが進化していくことで無人の飲食店なども登場することでしょう。だからこそ人間による接客は、笑顔やコミュニケーションが付加価値になるのではないかと思います。今私たちはその変化の途中におり、子どもたちがロボットの接客を当たり前とする時代へ急速に移行しています。しかし、最終的には人とのコミュニケーションと笑顔が重要であることを伝えたいです。全てを無人化するのではなく、機械にできることを任せつつ、人間にしかできないことに特化した道を選んでいきたいですね。

株式会社アルプス 代表取締役社長
金丸 滋 氏
「関わるすべての人を幸せにする」を経営理念に国内外まで活動拠点を広げている株式会社アルプス。
株式会社アルプスの代表取締役社長である金丸滋さんに、リーダーシップについてこれから社会で生き抜いていくためのお話を伺いました。

