くるりと見方を変えると見える世界

くるり工房の説明

 廃棄物回収やリサイクル事業を行っている武松商事株式会社によってくるり工房は運営されています。くるり工房は主に3つの機能を持っています。まず1つ目の「製作」では捨てられるはずのものを再利用し、新たな価値を生み出すアップサイクルを行っています。2つ目の「販売」では製作したアイテムやリユース素材を販売しています。3つ目の「ワークショップ」では物を大切にする心を育むためのワークショップが行われています。

ワークショップに関連する展示

廃棄物の処理会社が工房を構えたわけ

 弊社は廃棄物の収集、処分およびリサイクルが主な業務です。最近ではエコの観点から、3Rという言葉が注目を浴びるようになりました。本社がある横浜市では、ゴミを出さないリデュースやリサイクルに関する取り組みが進んでいます。しかしリユースという観点では、まだ活動が進んでいない部分が多いのが現状です。そこで武松商事株式会社は横浜市内で地域を巻き込み、リユースの活動を広めることを目指してくるり工房を構えることとなりました。

 くるり工房では、商品の材料として一般家庭から出た不用品を利用しているんです。廃棄物の見積もりを行う段階で、まだ使えるものをリユース品として買い取ります。買い取った品物は主に海外へ輸出する。また需要がないか、送れないような品物は材料として再利用される仕組みです。

 私たちは捨てる前に一度立ち止まって考えることの大切さを伝えたいと思っています。そしてその後に視点を変えて、違った形で生まれ変わらせる過程を楽しんでもらいたいです。(尾崎)

リユース素材の販売コーナー

商品をつくるときにこだわっているポイント

 アップサイクルの醍醐味は、元の素材の特徴を生かしながら新たなアイテムをつくり出すことにあると思っています。例えば私はプラスチックカードを使ったアクセサリーを製作しました。クレジットカードには数字や文字が入っているので、その部分を生かしたりしています。その結果見た目からは元がカードだったことがわかる仕上がりになりますよね。このようにアップサイクルでは元のものが何だったか想像してもらうことで楽しみを提供し、驚きも与えることができるのではないかと思っています。(船木)

クレジットカードを利用したアクセサリー

視野を広げるために必要なこと

 すごくありふれた話なのですが、当たり前のことを見直すことで面白さが広がると思っています。クレジットカードのアクセサリーの例では、カードを切ってから捨ててくださいと書いてあることがほとんどです。もしハサミを使って形を変えて捨てても良いのであれば、少し切り方を変えてみると面白い発見がありました。当たり前のことを常識として受け入れるのではなく、視点を変えて見てほしいと思います。(船木)

作業する船木さん

周りに好きを散りばめて

 私は自分の好きなことを組み合わせてこの仕事にたどり着いたんです。もともと私は食と環境に興味がありました。この会社の素晴らしい雰囲気が前提としてあった上で、自分の好きな「食×環境」の興味を充実させることができる。食品リサイクルを行っているこの会社以外考えられないと思いました。(※現在リサイクル事業は行っておりません)(小林)

アップサイクルを通して伝えたいこと

 この活動を通して、一人ひとりができることを増やしてあげたいなと思っています。現代社会ではテクノロジーが進み、大量生産と大量消費が当たり前となっています。自分でつくっているわけではなく、つくっている人がどんな人かもわからないため、ものに対して無責任になる傾向があります。「どうせ安物だし、壊れたら捨てれば良い」という考えに陥りがちですよね。しかし自分でつくったものには愛着が沸きますし、ものを大切にするという心も生まれると思っています。壊れたら直しながら使うというのも将来的には求められることだと思っています。(船木)

ワークショップで利用したビニール傘
武松商事株式会社 くるり工房
執行役員 / 開発事業部 部長 / リサイクル事業部 部長
尾崎 裕司さん

開発事業部 開発チーム チームリーダー 
小林 智美さん

開発事業部 アップサイクル企画 チーフデザイナー
船木 真那さん

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