多摩大学附属聖ヶ丘高等学校 「聖っ子プロジェクト」
地域の高校生とプログラミング体験イベントを実施
2023年3月16日(土)多摩市関戸公民館にて、YCCと多摩市(たま学びテラス)の協力のもと、多摩大学附属聖ヶ丘高等学校「聖っ子プロジェクト」によるプログラミング体験会を開催しました。プログラミングを用いたゲーム制作やおもちゃ作りを通して、地域の方々にプログラミングを身近に感じてもらうことを目標としたイベントです。
イベントの準備期間には、スクーミーボードの使い方を習い提供するゲームを作成しました。ゲームの説明書やポップづくり、会場の導線なども含めて当日の流れを考えます。運営方法のマニュアル、シフト表や仕事説明もつくり、アプリ化して共有しました。そのおかげで、事前準備に参加していない人でもすぐにスタッフとして参加できる体制が整えられました。

参加者と共につくりあげる学びの場
イベント当日。高校生が発案・開発した「カードリーダー」「早押しボタン」「マシュマロゲーム」「チキチキパーキング」が並びました。
体験した遊びをもとに、隣りのブースで実際に自分のアイデアを形にすることもできます。プログラミングを参加者に教えるのも、高校生たちです。「こんなゲームをつくってみたい!」「さっき遊んだゲームと同じものを、自分でもつくれるの?」。参加者の声を参考に設計図を書き、実際にスクーミーボードとタブレットをつないでプログラムを組んでいきました。その場で出たアイデアを瞬時にプログラミングに落とし込み、相手にわかるように伝える技術が求められる高度な作業です。トライ&エラーを繰り返しながらも、生き生きと楽しそうに作業に取り組む姿が印象的でした。
イベントは終始あたたかい雰囲気で進み、参加者だった小学校4年生が飛び入りスタッフとしてお手伝いしてくれる場面もありました。
イベント中、とある男の子が「自分がつくりたいと思ったものを再現するには、難しいプログラミングが必要」とわかって苦戦する場面がありました。親御さんからの「別のものにする?」という問いにも「このまま頑張る」と答え、さまざまなプログラムを試します。高校生たちもその想いに応えようと、AIも使いながら対応しました。大人たちも協力し、知恵と技術を集結!イベントの時間内には完成させることはできなかったものの、最後まで諦めずに全員で集中して取り組んだ時間は、とても濃いものになりました。
会場には小さなお子さんからご高齢の方まで、年代を問わずブースに立ち寄ってプログラミングを楽しむ姿がありました。自分たちのつくったeDIYをたくさんの人が楽しんでくれたこと、その場で一緒に新しいアイデアを形にした経験は、高校生たちにとって大きな学びになったことでしょう。

聖っ子プロジェクトメンバーに聞きました!
イベント開催に対する意気込みを教えてください。
私たちは今回のイベントを開催するにあたって、スクーミーボードの使い方を教わってからゲームの制作をしました。事前にスクーミーボード活用事例の動画を見ておいたので、どんなふうに使えるのかイメージをもって参加できました。
プログラミングと聞くと「ちょっと難しそう」と身構えてしまう人も多いのかなと思います。僕たちも最初はそうでした。でも実際にスクーミーボードでプログラミングを体験したら、思ったよりも手軽に操作でき、印象が一気に変わったんです。操作を学ぶ中でゲームのアイデアもいくつか浮かびました!
イベント参加者の方にも同じような体験をしてもらい「プログラミングって楽しい」「手軽にできるんだ」と感じてもらえる機会にできたらと思います。

イベント開催に向けて、工夫した点はなんですか?
運営の面では「スタッフに聞かなくてもわかる、可視化しておく」という点を工夫しました。
スタッフに対しては、アプリをつくって、対応マニュアルやゲームの説明をみんなに共有できるようにしました。ゲームの展示についても、ゲームの説明や「こういうプログラミングを組んでつくりました」とわかるパネルを設置しました。ゲームを楽しむだけではなくて、こういうふうにできているんだということをわかりやすく伝えるためになにができるかを考え、企画できたと思います。

イベントのなかで、大変だったことはありますか?
その場で子どもたちからリクエストのあったプログラムを組む作業は、「失敗したらどうしよう」というプレッシャーと戦っていました(笑)僕たちもある程度、こういうアイデアが出るのでは?というのは予想して準備していたのですが……当然、当日になってみないとどんなリクエストが来るのかわかりません。こういうものがつくりたいと言われたら、その場で考える。困ったらみんなで「こうすればできるんじゃないか」と考えて、協力しながら形にする経験ができたと思っています。

イベントを通した感想を教えてください。
来てくれた小学生たちが、自分たちには考えつかないような面白いゲームを思いついていて驚きました。想像力を高めることができ、良い刺激をもらうことができたと感じています。反省点としては、自分のゲームの説明をするときに、なかなかうまく伝わらない場面があったことです。人にわかりやすく説明することの難しさ、イベント運営の難しさを痛感しました。 成功体験も、反省点も、これから聖っ子プロジェクトの活動をしていくにあたって大きな糧となりました。また、次の活動に向けて生かしていきたいです。

ゲームの紹介
早押しゲーム
遅く押した側のボタンが、相手の色で光る仕組み。早押ししたほうが光るようにすると、プログラムが複雑になるので再現しにくいため、シンプルな仕組みになるように工夫しました。

マシュマロゲーム
イベント中に、力を数値化したものを競う「力比べゲーム」に変更しました。スライムの紙を張り付けて、ゲーム要素を強めたところ小学生男児に大好評でした。


