山梨県立甲府南高等学校 物質化学部 顧問 藤川先生、「電気分解による金属樹の析出」研究チームの廣田乃亜さん・内藤慶太さん・森屋大樹さん・田中未夢さんにお話を伺いました。
「化学クラブ研究発表会」にて銀賞を受賞!
2023年3月に東京都立大学で行われた「第40回化学クラブ研究発表会」にて、甲府南高校物質化学部3年生の学生が銀賞を受賞しました。
この大会に甲府南高校の物質化学部が参加するのは5回目。今年は新型コロナウイルスの影響が落ち着いてきたため、学校として数年ぶりの出場を決意しました。普段とは一味違う空気感の中で発表することも良い経験となったとのこと。研究者の方々からも多くの質問や助言を得られたため、学びが多い大会となったそうです。
研究「電気分解による金属樹の析出」について
実験自体は2年半ほどかけて行われたとのことでした。炭素棒に金属メッキを施そうとする研究から始まり、その過程で電気分解をしていたら、樹枝状に金属の結晶が見られました。そこから1年目は電圧、温度、濃度を変えるとどのように変化するのかに着目した研究。2年目は出てくる結晶の形状は、どのような要因で決定されるのかをさらに明らかにするため、陽イオン、陰イオンの種類に着目し研究を進めていったようです。
大きな発表の場で研究ついて発表すること
この研究発表会に参加した際に、他校のさまざまな発表も聞くことができたようです。おもしろい発表も多く勉強になった半面、クオリティーの高さに度肝を抜かれるような場面もしばしば。そのような中でも賞を獲得できたことは、頑張りが報われた達成感と自信へとつながったのではないでしょうか。今後大学生、社会人になる上で非常に大きな経験ができたのではないかと思います。

顧問の藤川先生に聞いてみました!
化学研究発表会で学生たちが得たものはどのようなものだと思いますか?
化学研究の最前線で活躍している方々にフィードバックをいただけたことが、学生にとって大変良い経験となりました。考え方や研究結果をさらにブラッシュアップできた大会となったと思います。今まで一生懸命研究してきたものが専門家から見てもおもしろいと言ってもらえたため、自信につながりました。
大学生や社会人になっても物事に探究的であることや、壁にぶつかったとしても仲間と一緒に乗り越えられるということを身をもって体験できたのではないでしょうか。これから自分なりの道を切り開いていけるような大人になってほしいと思います。
学生たちに聞いてみました!①
この研究をして良かった点を教えてください。
廣田さん
「1年目より2年目は、細かい視点で研究を進めていきました。自分たちが組み立てた理論に従った動きを証明できたと思います。ミクロの存在を取り巻いている法則のようなものを適用するところまで研究結果を出すことができ、良かったです。」
内藤さん
「メンバーで話し合ったり、お互い意見を出したりして、学べることがとても多かったです。さまざまな考え方を教えてもらうことができました。研究を進めていく手順や過程みたいなことも一緒に学ぶことができて良かったです。」
学生たちに聞いてみました!②
この研究をして苦労した点を教えてください。
森屋さん
「研究を進めていく中で予想に反する結果と反しない結果が両方出てしまった時は、一番苦労しましたね。検証を何度も繰り返す必要があり大変でした。」
田中さん
「相手に研究内容を伝えるためにはしっかりと理解する必要があり、内容を自分の中で嚙み砕いて腑に落ちるまで聞いたり、調べたりすることが大変でした。」


